あなたはギターの弦交換を正しく行えているだろうか?ギターの弦交換を正しくできている人は意外と少ない。
もし弦交換のときに、何かしらの違和感を感じているなら、正しい方法で交換できていないかもしれない。弦交換が正しくできていないと、チューニングが合わなかったり、弦が切れ易くなったりする。自信を持ってギターを弾けるようになりたいなら、必ず正しい弦交換を学んでおこう。
今回はアコギの弦交換の仕方を解説する。読みながら交換すれば、すぐに正しい弦交換を習得できるはずだ。
アコギ弦交換に必要なもの
まずはアコギの弦交換に必要なものを揃えておこう。弦交換を始める前にきちんと準備をしておくと、交換がスムーズに進むので、楽器屋さんに行って、弦交換専用に一式、買い揃えておこう。以下の4つが、アコギの弦交換に必要なものだ。
- アコギの弦(1~6弦までの1セットで1000円程度。)
- ニッパー(工具として売っているもので可。500円程度。)
- ストリングワインダー(楽器屋さんに売っている。150円程度。)
- チューナー(いつもチューニングに使っているもの。2000円程度。)
アコギの弦は1~6弦までがセットになっているものを用意しよう。一本ずつバラ売りしているものもあるが、弦交換するときは基本的に、6本の弦をいっぺんに交換するのが良い。一本だけ交換すると、弦交換がやりにくくなってしまうし、音全体のバランスが悪くなってしまうからだ。
価格は1000円程度のもので良いだろう。間違ってエレキギターの弦を買わないように注意すること。

次に、ニッパーだ。ニッパーは工具として売っているハサミのようなものだ。以下の画像のようなものだ。特別なものである必要はなく、プラモデル用でも100円ショップのものでも構わない。ギターの弦がきちんと切れるものを用意しよう。

3つ目はストリングワインダーだ。ストリングワインダーは弦交換を高速化するとても便利なアイテムだ。ペグを回す時に使う道具で、これがあると弦を巻くのが数倍早くなる。
楽器屋さんに行けば必ず売っているし、価格も150円程度で安く買えるので、必ず購入しておこう。なくても何とかなるが、ストリングワインダーがある方が圧倒的に弦交換が楽だ。

最後にチューナーだ。チューナーは普段チューニングに使っているもので良い。弦交換の後にチューニングしなければならないので、その時にいつも通りチューニングするだけだ。

アコギ弦交換の全体の流れ
アコギの弦交換に必要なものが揃ったら、弦交換の手順を一通り理解しておこう。全体の流れを大まかに理解しておくと、スムーズに弦を交換できる。全体の流れは以下の通りだ。
- 古い弦を全て外す
- 新しい弦を張る
- チューニングをする
「全部外して→全部張って→チューニング」が弦交換の流れだ。はじめに全ての弦を外してから、一本ずつ張っていくことに注意しよう。
アコギ弦交換の具体的な手順
アコギの弦を外す
それでは、弦交換の手順をひとつずつ紹介していく。画像を見ながら丁寧に進めて行こう。まずは弦を全て外すことからスタートだ。
ペグを回して弦を緩める
最初に、ペグを回してすべての弦を緩めておく。理由は、普段通りに弦が張った状態だと、弦を外す時に、ブリッジピンが飛んだり、弦がはじけたりして危険だからだ。
チューニングで音を低くする方向に回すと弦が緩む。弦がダラダラで、緩くなっている状態まで、ペグを回そう。緩める作業が中途半端だと、次の作業で危険が伴うので、十分に弦を緩めること。
弦巻から弦を抜く
弦が十分に緩くなったら、弦巻に巻き付いている弦を取り外す。さらに、弦を緩めるようにペグを回して、巻き付いている弦をきれいに取り外そう。
このとき、弦の先端で指を切らないように注意。また、弦の先端が目に入ったりしないように細心の注意を払おう。

ブリッジピンを外す
弦巻側(ヘッド側)から弦が外れたら、次はブリッジ側から弦を外そう。弦はブリッジピンというピンで支えられているので、そのピンを外すのだ。ブリッジピンはブリッジの穴に差し込まれていて、内側では以下の図のように弦を支えている。
図は横から見た断面図だ。
弦の端が丸くなっていて、ブリッジの穴と、ピンの間に挟まって支えられているのが分かるだろうか。ここでピンを真上に引き抜くと、弦が外れてくれる。
外す時は、ピンをまっすぐ上に引き抜くこと。斜めに抜くと折れてしまうことがあるので注意が必要だ。また、引き抜けない場合は、ストリングワインダーの上部にピン抜き用の溝があるので、それを利用してテコで引き抜くこともできる。
ピンを無くさないように気を付けながら、すべての弦を外してしまおう。
外した弦は束ねてまとめる
外した弦は全て束ねて、結んでしまおう。そのままにしておくと、新しい弦と絡まってしまったり、弦の先端で怪我をしてしまうこともある。束ねて結び、瓶などにまとめて入れておくと良い。捨てるときは自治体のルールに従って捨てよう。
新しい弦を張る
弦を張る
それでは弦を張っていこう。まずは6弦から張っていく。弦のセットの中から6弦を取り出そう。以下の図のように入っていると思うので、ほどいておこう。

弦をブリッジ側で固定する
まずはブリッジ側から弦を固定していく。図のようにいったんピンを抜いて、弦の先端が丸い方を穴に入れ、上からピンを刺す。この時、弦の先端の丸い部分が、ピンの差込口ギリギリで固定されないといけない。そのために、図のように、弦の先端を折り曲げておこう。

先端を折って弦を差し込んだら、ブリッジピンを差し込む。そのあと、弦の先端の輪っかがピンにひっかかって固定されるように弦を引っ張る。ちゃんと引っかかれば、ピンは抜けず、弦が正しく固定されている。
弦を弦巻き側(ヘッド側)で固定する
ブリッジ側で弦を固定できたら、次はヘッド側の弦巻きに弦を巻きつけよう。弦を巻き付ける位置や向きが重要なので、注意して巻こう。まずは、弦の先端をペグの穴に通す。

ペグに弦を通したら、穴から出た部分を持って、ペグ2個分くらいの所で折り曲げる。

そして、折り目の部分がペグの入り口で固定されるように、ブリッジ側から弦を引っ張る。そこまで済んだら、はみ出ている部分をペグ手前の弦の下に通す。そして、今度は弦の上側から押さえるように元の方向に弦を折る。
まずは、ここまでをやってみよう。文章で説明してもさっぱり分からないと思うので、下のGIF画像(動く画像)を参考にして欲しい。クリックして新しいタブを開くと動く画像が見られる。
画像をクリック↓
ペグ2個分のところで折って余裕を持たせるのは、巻き付ける分の弦を確保するためだ。3~6弦までは、特に長さに余裕を持っておきたいので、ペグから突き抜けた余り部分の、できるだけ先の方で折り目をつけよう。
ペグを回して弦を弦巻に巻き付ける
弦巻に弦が固定できたら、ペグを回して弦巻に弦を巻き付けていこう。その前に、余分な弦を切っておく必要がある。ニッパーを使って画像の位置で弦の余り部分を切っておこう。

6~4弦側は全て、ペグを反時計周りに回して、巻き付ける。下の動く画像を参考にしよう。ポイントは1周目は切断した部分の上に巻く。2周目は切断部より下に巻くことだ。
- 1周目は切断部分より上側に巻く。
- 2週目以降は切断部分より下側に巻く。
画像では、上に1周、下に1周ずつ巻いているが、巻き足りなければ、さらに下に巻いていこう。
また、巻いた弦が重なったり、絡まったりしないように、巻き付けていこう。途中で弦がはじけて、目に当たったりしないように注意しながらやろう。
画像をクリック↓
他の弦も同じように張る
6弦が巻き終わったら、他の弦も同じようにやってみよう。注意点は以下の2つだ。
- 6~3弦は巻き数を多めに
- 1~3弦のペグは1弦側から見て、反時計回りに回す。
6~3弦は弦の余裕を長めにとって、巻き数を多めにしておこう。6~5弦で2~4巻き、4~3弦で3~4巻きくらいが理想的だ。
また、ペグを回す方向に注意だ。回す方向は、上から見ると以下の図のようになる。

チューニングする
全ての弦を張り終わったら、チューニングをしよう。ほとんど普段通りのチューニングと同じだが、弦を張り立てのときは何かとトラブルが起きやすいので、注意してチューニングしよう。
このとき、チューニング初めは弦がゆるゆるだと思うので、ストリングワインダーを使って、ペグを回すと効率が良い。ただし、回し過ぎて弦を切らないようにしよう。
アコギ弦交換のまとめ
無事に弦交換はできただろうか。初心者にとって初めての弦交換は、なかなか難しいと思う。急ぐ必要はないが、こまめに弦交換をして、慣れるようにしよう。どうしても交換できないときは楽器屋さんに行けば、有料でやってくれるので、必要な時は頼むのも一つの手だ。
弦交換を良く研究して、手際よく弦交換できるようになろう。
また、何度も弦交換しているのに、弦が切れるという場合は、ギターの弦が切れる3つの原因と切れた場合の正しい対処法も参照してほしい。