「ギターの楽譜を読むのは難しそう」と思っている方は多いでしょう。しかし、実は、ギターの楽譜は、5分で読めるようになるのです。この記事では、ギターの楽譜の読み方を分かりやすく紹介します。苦手意識がある人も、ぜひ、最後まで読んでみてください。最後には「なんだ、ギターの楽譜って簡単じゃん」と思って頂けると思います。
1. ギターの楽譜は2種類!
ギターの楽譜には2種類あります。「コード譜」と「TAB(タブ)譜」です。「コード譜」はギターコードが描かれた楽譜で、名前の通り、コード演奏に使います。「TAB譜」は6本線の楽譜で、ギターソロなどの単音弾きで使います。それぞれ詳しく説明していきましょう。
2. コード譜の読み方
はじめにコード譜から説明しましょう。コード譜は、「コードダイアグラム」と「リズム譜」の2つでできています。
コードダイアグラムは、コードの押さえ方を示した図です。リズム譜は、文字通り、リズムを示した楽譜です。コードダイアグラムを見て、コードを押さえ、リズム譜を見てストロークします。コードダイアグラムは、次の図のようなことを教えてくれます。
横の線が弦、縦の線がフレットです。そして、黒丸が押さえる場所です。Cコードなら「5弦3フレット」「4弦2フレット」「2弦1フレット」を押さえれば良いです。
一方で、リズム譜は、次のことを示しています。
「コ」の字の記号がダウンピッキング、「V」の字がアップピッキングをすることを示しています。(※ダウンピッキングとは、6弦側から1弦側に弦をはじくこと、アップピッキングは、1弦側から6弦側に弦をはじくことです。)
線に重なっている斜めの四角は、ストロークのリズムを表しています。※リズムについては、後半に詳しく書きます。
コードダイアグラムとリズム譜を合体すると、コード譜になります。
楽譜は、左から右へ向かって読んでいきます。上のコード譜の場合、左から順に「C→Am→Em→C」の順にコードを弾くということです。コードダイアグラムを見て、それぞれのコードを押さえ、その下のリズム譜にしたがって、ストロークします。
コード譜の読み方のまとめ
- ①コードダイアグラムを見てコードを押さえる
- ②リズム譜とアップダウン記号を見てストロークする
3. TAB(タブ)譜の読み方
次に、TAB(タブ)譜の読み方を覚えましょう。以下の画像がTAB譜の例です。
左側に「TAB」の文字があり、ギターの弦に合わせて6線になっています。TAB譜とは、6本の弦を紙にそのまま写したものです。下の図を見てください。
横線が、それぞれの弦に対応しています。一番下が6弦、一番上が1弦です。そして線の上に書いてある数字がフレットの番号です。この楽譜通りに弦を押さえ、曲に合わせて演奏すればOKです。
例えば、上のTAB譜の①では、5弦3フレットを押さえて弾きます。②では、3弦の線の上に「0」と書いてあるので、フレットを押さえないで3弦を弾きます。これだけでTAB譜は読めたも同然です。
次に、上のTAB譜の赤丸の中の数字は「1」だから1フレットを意味しています。この数字があるのは、6弦だから「6弦1フレット」を弾けば良いです。このとき、数字の上についている棒は、五線譜の音符についている「ハタ」と同じ意味です。たとえば、ただの1本棒なら四分音符の長さで弾くことを意味します。
もし五線譜が分からなくても全く問題ありません。上の棒が「音の長さ」を表していることだけを知っておいてもらえれば十分です。曲を聞きながら、TAB譜の数字だけたどって行けば、演奏に大きな支障はないはずです。
ここからは、さらに詳しい説明になります。もし興味がなければ読まなくても大丈夫です。弾きたい曲のTAB譜を見て、分からないところがあれば、適宜、以下の内容を参照しましょう。
※『ギター初心者のための超かんたん弾き方講座』からご覧の方は次はギターで「ドレミファソラシド」を弾くに進みましょう。
4. TAB譜の読み方 テクニック編
TAB譜には、押さえる場所やリズムの他に、テクニックについても書いてあります。テクニックの記号について説明していきましょう。
ハンマリング・オン
TAB譜に「H」という記号があったら、それはハンマリング・オンです。Hでつながれている左側の数字でフレットを押さえ、弦を弾きます。その直後に、他の指で、右側の数字のフレットを「ハンマ―でたたくように」押さえます。すると、跳ねるような音が出ます。
プリング・オフ
「P」の記号は、プリング・オフを意味しています。ハンマリングの反対です。Pでつながれた、左右両方のフレットを押さえておきます。そして弦を弾きます。その直後に、数字が大きい方のフレットの指を、弦をひっかくように離して、音を出します。落ちるような音です。
ハンマリングとプリングを繰り返す「トリル」もあり、「tr」の記号が書かれています。
スライド
「S」の記号は、スライドです。「S」でつながれた、左の数字を押さえて弦を弾きます。そして、その弦の振動を残したまま、押さえている指を、次の数字のフレットへスライドします。なめらかな音の変化が特徴です。
チョーキング
「C」の記号は「チョーキング」です。チョーキングは、弦を引っ張って音を変えるテクニックです。「C」でつながれている数字のフレットを押さえて音を出し、そのままフレットに対して水平方向に、弦を引っ張りあげます。弦でフレットをこするようなイメージです。「ギューン」と高くなる音が特徴です。
似たテクニックとして、
- 半音チョーキング(ハーフ・チョーキング)
- チョークダウン
があります。
半音チョーキングは、左手で弦を引き上げて半音音程を変化させます。記号は「H.C」あるいは「h.c」です。
チョークダウンは、チョーキングした弦を元に戻して音程を下げます。ダウンの「D」です。
ビブラート
「~~~」という記号がついているのは、「ビブラート」です。弦を押さえて音を鳴らし、押さえている指をそのまま、弦に対して水平方向に、フレットをこするように、弦を上下に揺らします。うねうねと揺れる音色が特徴です。
その他
上記以外にもブラッシング、ナチュラル・ハーモニクス、ピッキング・ハーモニクス、ピック・スクラッチ、アーミングなど色々ありますが、ここでは割愛します。
5. ギターの楽譜の読み方 ちょっとだけリズム編
コード譜にも、TAB譜にも、4分音符や8分休符などの、拍子の記号が出てきます。ストロークの記号や数字の上に付いている棒や旗が、拍子を表す記号です。また、一定の間隔で、縦の線が入っていますが、この線で区切られている区間を、小節といいます。
ひとつの小節には、メトロノームが4回「カチ・カチ・カチ・カチ」と鳴る長さだけ、音が入ります。4回手拍子をして「タン・タン・タン・タン」という長さだけ音が入ります。この「カチ」や「タン」の1回分の長さが、下の図でいうところの、4分音符です。
「1小節の中には4分音符が4つ入る」と覚えておくといいでしょう。数字の上に棒が1本だけあったら、それが4分音符です。
棒が1本に加えて、横向きに1本の旗が出ているのは、8分音です。4分音符の半分の長さで、1小節の中に8つ入ります。
棒が1本あり、旗がなく、棒の下が白丸になっているのは、2分音符です。4分音符の2倍の長さで、1小節に2つしか入りません。
下の図で整理しましょう。
図では、1小節目はすべて4分音符、2小節目はすべて8分音符、3小節目はすべて2分音符です。図のように、それぞれの音をカタカナにして覚えるとリズムを理解しやすいです。しっかり覚えましょう。
まとめ
今回は、ギターの楽譜の読み方を説明しました。今回の内容は、いっぺんに覚えなくても問題ありません。弾きたい曲の楽譜を見て、分からないところがあったときに、その都度調べて覚えれば十分です。
もっと詳しく楽譜を学びたい方は、ギターの楽譜ではなく、一般的な楽譜を先に学ぶことをオススメします。普通の楽譜をしっかりマスターしてから、ギターの楽譜に取りかかった方が、理解が深まり、よりスムーズに学習が進むでしょう。