ハードロックやヘヴィメタルで頻繁に使われるチューニングが全音下げチューニングです。ヘヴィな曲をこれからコピーしていきたいなと思うなら全音下げチューニングの方法は覚えておかないといけません。
そこで今回はギターの全音下げチューニングの方法と、全音下げチューニングにした時の音はどうなるのかについて解説します。
ギターの全音下げチューニングの方法
全音下げチューニング、(または1音下げチューニング)はハードロックやヘヴィメタルで頻繁に使われるチューニングで、タブ譜では最初に「Whole Step Down 」と表記されています。
ですがギターを始めたばかりでやっとレギュラーチューニングを覚えたばかりの頃は「え?全音下げって何?どうやるの??」と頭にクエスチョンマークが何個も出てくると思います。
で、これからこの記事を読んでくれているあなたの為に全音下げチューニング(1音下げチューニング)の方法について解説していく訳なんですが、不安な方は一度レギュラーチューニングをおさらいしてからこの先を読み進めて下さい。
全音下げチューニングの音階
まず、基本となるレギュラーチューニングの音階との違いを確認していきましょう。
【レギュラーチューニングの音階】
■6弦→E=ミ
■5弦→A=ラ
■4弦→D=レ
■3弦→G=ソ
■2弦→B=シ
■1弦→E=ミ
【全音下げチューニングの音階】
■6弦→D=レ
■5弦→G=ソ
■4弦→C=ド
■3弦→F=ファ
■2弦→A=ラ
■1弦→D=レ
と、このような感じになります。
全音下げチューニング(1音下げチューニング)は、半音下げチューニングから更に全ての弦を半音下げるチューニングなんです。
なんかわかりにくいでしょうか?
つまり、レギュラーチューニングから全ての弦を全音下げる(1音下げる)チューニングの事です。
チューナーを使えばレギュラーチューニングも半音下げチューニングもやることは同じなんですが、まだレギュラーチューニングしかやったことがないよ~と言う場合は、いきなり全音下げに合わせるんじゃなくて、一旦レギュラーチューニングで合わせてからゆっくりゆっくりすこ~しずつ音を下げてくる方法が良いかと思います。
6弦の場合はチューナーにDと表示されるので、そうなったらチューナーの針を真ん中に合わせてあげればOKです。
最初は時間がかかるかもしれませんが何度もチューニングを繰り返しているうちに徐々にあなたの耳が鍛えられて慣れてくるので、スムーズに全音下げチューニングできるようになります。
全音下げチューニングの音を確認してみよう
チューニングはチューナーを使うのが一番簡単で正確ですが、ギターを始めたばかりの頃ってチューナーを使っても上手くチューニングできないこともあります(私のように)。
全音下げチューニングの場合ギターのペグを回していって6弦ならチューナーの画面にDと表示されれば後は真ん中に針を合わせるだけなんですが、私がギターを始めた頃は音がわかんないので弦交換したりするとEとかDとか狙った音をチューナーの画面に表示させるまでめっちゃ苦労しました笑(むしろ説明書読んでもチューナーの使い方よくわかんなかったし)。
ですが私は運よくチューニングの音が収録されているビデオ(時代を感じる)を所持していましたので毎度その音を頼りにチューニングしていました。
もしあなたが当時の私のようにチューナーを使いこなすことができない場合は、全音下げチューニングの音を頼りにしてチューニングすると言う方法もあります。
このやり方は最初は正確にはチューニング出来ないかもしれないですが、何度も繰り返すうちに耳が鍛えられて正確にチューニングできるようになるので、チューナーを使いこなせない場合はこっちの方法でチューニングしてみましょう。
【全音下げチューニングの音】
念のため、レギュラーチューニングと比べてどのくらい音が低くなっているのか確認してみましょう。
【レギュラーチューニングの音】
比べて聴くと全音下げるとかなり音が低くなっているのがわかります。
全音下げチューニングしたときの音の変化
ギターのチューニングを全音下げチューニングにするとどのような音になるのか?
単純にいうと音が低くなるだけなのですが、それだけではありません。全音下げチューニング独特のダーティーな響きが得られます。それ故に、ヘヴィメタルや、ハードロックなどロックの中でもゴリゴリなジャンルのギターで全音下げチューニングが使われているんです。
全音下げチューニングのメリット
弦の張力が緩むのでネックに優しい
全音下げチューニングはレギュラーチューニングと比べると弦の張力が弱くなります。したがってネックへの負担は大分減ります。
チョーキングしやすくなる
弦の張力が弱くなればチョーキングもいつもより力を入れなくても出来るようになります。
太い弦を張れる
上の続きみたいなもんですが、弦の張力が緩むという事は太い弦を張ってもレギュラーチューニングよりはネックに負担がかからず、押さえるのに力がいらなくなります。
低音域が広がりヘヴィなサウンドを鳴らせる
全音下げチューニングはレギュラーチューニングよりフレット2つ分低音域が広がるのでかなりダークでヘヴィなサウンドを得られます。
ヴォーカルの音域に合わせる
全音下げチューニングにすることによってヴォーカルが歌いやすい音域にすることが出来ます。
例えばバンドのヴォーカルが喉を傷めていつもの高音が出せないとなった場合は、全音下げてあげる事で無理なく歌える音域になるという事です。
全音下げチューニングのデメリット
メリットがあるという事は当然デメリットもあります。
細い弦で全音下げチューニングは向かない
0.09など細いゲージを使ったまま全音下げチューニングするとダルンダルンというかベロンベロンとした音になってしまいます。
その場合は0.10などいつもより太めのゲージに変えたほうが全音下げチューニングの本来のサウンドを鳴らせます。
高音域が半音狭くなる
全音下げチューニングによって全体的に全音下がる訳ですから(レギュラーチューニングから2フレット分)、低音域は半音広くなりますが、高音域が半音狭くなります。
チョーキングの音程のコントロールが難しくなる
ギターを全音下げチューニングにすると弦の張力が弱くなって押さえやすくなったりチョーキングしやすくなりますが、いつもより力を入れなくてもチョーキング出来てしまいます。そのため、勢い余って自分の出したい音よりも高くなったりしてしまうなど、音程のコントロールが難しくなります。
まとめ
いきなり速弾きが登場する機会も多いハードロックやヘヴィメタルをコピーするのは敷居が高く感じるかもしれませんが、どうせやるなら好きな曲をコピーしたいですよね。
全音下げチューニングがその手助けになれば幸いです。