- ギターのコードは難しそう・・・
- 手が小さくてコードが押さえられない・・・
- 簡単に押さえられるコードはないのか・・・
これらはギターの初心者の方から良く聞く悩みです。たしかにギターを始めたばかりの頃は、複雑なコードは難しく感じられます。
でも安心してください。実は指1本でも押さえられるコードがあります。それが「パワーコード」です。
これは実際の演奏でも頻繁に使われていて、これが弾けるだけでも、多くの有名な曲が弾けるようになります。裏ワザではなく、きちんとした方法です。ぜひ取り組んでみてほしいです。
ここでは、パワーコードの押さえ方・弾き方を分かりやすく解説します。この記事を読み終える頃には、いつでも1曲弾けるくらいに実力が付いているはずです。
1.パワーコードって何?
パワーコードは、主にロックで使われる力強いコードです。低い音だけを使っているので、パワフルな音になります。
音楽的に説明すると、コードの構成音のルートと完全5度の音だけで作られるコードのことなのですが、少し難しいので、この説明は忘れて構いません。
要するにたった2つの音だけでできているコードなのだと思っておきましょう。コードとは3つ以上の音が重なり合った状態(和音)の事を言いますが、パワーコードはそのコードをちゃちゃっと省略しちゃって2つの音を重ねたコードの事を言います。
3つ以上の音を重ねなければいけなかったものが、パワーコードは2つに減るので、それだけで難易度はグッと下がります。普通のコードよりも簡単になると言うわけです。
さらに、押さえる指の形もほぼ同じで、そのまま平行移動、もしくは垂直移動するだけという点も難易度を下げるポイントです。
そしてこのパワーコードはロック、ヘヴィメタル、パンクなどで非常によく使われています。簡単だけどとても重要なのです。
2.指1本でできるパワーコード
パワーコードは、ギターの場合は、なんとたった1本の指で押さえることができます。
以下のコードダイアグラムを見てみましょう。コードダイアグラムの見方が分からない方は5分で分かる!コードダイアグラム基本の読み方!も参考にしてください。
2.1 Eコードのパワーコード
これはEコードのパワーコードです。人差し指1本で押さえることができます。X印の付いている弦は弾かない弦です。左手の人差し指の指先で5弦2フレットを押さえましょう。
画像の赤い丸が5弦2フレット、黒い丸が6弦の開放弦を弾く形になります。
2.2 Aコードのパワーコード
次はAコードのパワーコードです。Eコードの形のまま、一つ隣の弦に移動して、4弦の2フレットを人差し指で押さえて5弦の開放弦を弾く。ただ1本弦をずらすだけです。
2.3 パワーコードでピッキング
さて、2つのパワーコードが押さえられたら、音を鳴らしてみましょう。
音を鳴らすためには右手でピッキングをする必要があります。ギターピックを使って弦を鳴らすことをピッキングという。ここでピッキングの仕方を解説しておきます。
ピックは以下の画像のように、親指と人差し指で挟んで持ちます。
この形を保ちながら、パワーコードの図を見て、X印のついていない2本の弦だけを、いっぺんに弾きます。
3.指2本でできるパワーコード
上記の2つのパワーコードは指1本でできるパワーコードでした。しかし、これだけでは物足りないと思うので、ここからは指2本を使って押さえるパワーコードを紹介します。
指2本のパワーコードも押さえられるようになると、どんな曲でも対応できるようになります。
指2本のパワーコードはほとんど以下の画像の指の形です。使う指は基本的に人差し指と薬指。もしくは人差し指と小指。赤い丸の所だけを押さえて、その押さえている二本の弦だけを弾くわけです。
この形のまま平行移動したり垂直移動したりすればOKです。1つの形だけを覚えておけばすべてのコードが簡単にできてしまうので、ぜひ取り組みましょう。
なお、いかに簡単と言えども初めのうちはコードチェンジがもたついたりすると思います。ゆっくりゆっくり何度も繰り返し練習しましょう。
コードチェンジのコツは、次のコードに移動する際、指を高く上げないことです。
指をバタバタと高く上げるとそれだけで移動スピードがダウンしてしまうので、コードチェンジをする時に指は高く上げないで、指の力を抜いて少し浮かせる感じを意識しましょう。
3.1 Dコードのパワーコード
これはDコードのパワーコードです。指の開きがキツイ場合は、薬指の代わりに小指を使っても良いです。5弦5フレットと4弦7フレットを同時に押さえ、4弦と5弦をいっぺんに弾きましょう。
3.2 Gコードのパワーコード
これはGコードのパワーコードです。人差し指と薬指の位置関係はDと同じで、弦とフレットの場所を変えただけです。6弦3フレットと5弦5フレットを同時に押さえ、5弦と6弦をいっぺんに弾きましょう。
3.3 その他のパワーコード
上記2つのパワーコードで、パワーコードの基本の型を覚えてもらえたでしょうか。パワーコードは全て、この形をスライドしたり弦を変えるだけで押さえられます。
あなたは、もう全てのコードを弾けたようなものなんです。上記に挙げたコードを含め、すべてのコードを見てみましょう。
これですべてのパワーコードができました。1本指の型か、2本指の型ですべてのコードができることをお分かりいただけたでしょうか。それぞれ押さえて、1つづつ覚えていきましょう。
4.コードチェンジで練習しよう
すべてのパワーコードを押さえられたら、実際にコードを弾きながら練習しましょう。以下にパワーコードで弾ける定番のコード進行を上げておくので、この通りに弾いてみます。
練習1
A、D、E、Aとコードチェンジします。コードのアルファベットの下に書かれている平行四辺形は弦をピッキングすることを意味しています。この楽譜では、Aコードを2回ピッキング→Dコードを2回ピッキング→Eコードを・・・。というように弾けばよいです。
練習2
次もコード進行は変わりません。ただし今度はピッキングの印の下に、異なる2種類の印が付いています。下向きに開いている印(一番左から奇数番目についている印)をダウンピッキング、上向きに開いているVの印をアップピッキングといいます。
ダウンピッキングは太い弦から細い弦に向かってピックを振り下ろす。上から下に振り下ろすピッキングです。
アップピッキングは細い弦から太い弦に向かってピックを引き上げる。下から上に引き上げるピッキングです。
これを連続して行うと、ピックの上下が繰り返されます。その動作の中にパワーコードを入れるのがこの練習のポイントです。2本の弦をいっぺんに弾くので、慣れないと厄介だが、繰り返し練習して体で覚えましょう。
5.余計な音が鳴らないようにミュートする
ギターって、普通に弾いても余計な音が鳴ってしまう楽器なんです。パワーコードに限らず、単音でも普通のコードでも、そのまま弾いてしまったら余計な音が鳴ってしまいます。それを防ぐために「ミュート」をします。
テレビのボタンでミュートってボタンありませんか?ボタンを押すと音が消えるやつです。それと同じで、ギターも余計な音が鳴らないようにミュートしてあげる必要があります。
では、ギターのパワーコードのミュートはどうするのかと言うと、
画像はパワーコードのAm(エーマイナー)を押さえている状況です。この場合は5弦の開放弦と4弦の2フレットだけを鳴らしたいわけですが、普通に弾いても余計な音が鳴ってしまいます。
そこで画像を見て頂きたいのですが、青い丸の所を軽く触れて音を鳴らないようにする。つまりミュートしてあげます。親指で6弦、人差し指で1・2・3弦を軽く触れてミュートしてます。
Em(イーマイナー)のパワーコードは6弦の開放弦を鳴らしますので親指でのミュートは必要ありません。人差し指で5弦2フレットを押さえつつ1・2・3・4弦をミュートする感じになります。
指を2本使う場合のパワーコードのミュートです。6弦がルートの場合は人差し指で1・2・3・4弦をミュートします。
5弦がルートの場合は若干変わって、人差し指は1・2・3弦をミュートします。そして、6弦は鳴らしてはいけないので中指で6弦に軽く触れてミュートします。
まとめ
パワーコードの感覚はつかめたでしょうか。冒頭で述べたように、これは裏ワザではなく、正攻法のコードの押さえ方のひとつです。これができればすべてのコードが一応は弾けるようになり、全ての曲を弾くことができます。実際に好きな曲のコード譜を探して、パワーコードで弾いてみましょう。きっとその利便性に驚くはずです。
また、パワーコードではなく、通常のオープンコードやバレーコードのコードダイアグラムについては、一目でわかる!ギターコード一覧表に分かりやすく一覧でまとめてあるので興味のある方は参考にしてください。